「せんせいのことすきだから…」
作家として知られる「先生」のもとに、ある日突然現れた少女、リリ。彼女は自分の大ファンだと告げ、作品についての熱い想いを語り始めた。
そんなリリと関係を持つようになってしばらく経つが、彼女の独占的な愛情は一体どんなものなのか。オナホのように扱われても、「先生に使ってもらえるのが嬉しい」と、喜びを隠さない彼女。
自分を慕うリリは、先生に対して拒否することがなく、従順そのもの。成功しながらも自信が持てず、満たされない日々を送る先生。ふたつの歪な関係は、いつしか複雑に絡み合い、互いに影響し合っていく……。
かわいいひと



エロ漫画の感想
2025年のエロ漫画ベスト10、いやベスト3に推したいです。
ポイント
・題名の意味が最初と最後で見事に逆転する妙味
・エロ漫画の存在意義「癒し」をストーリーで満たしてくれる
・SNSにもリアル世間にも疲れた心と体を癒したい人にオススメ。
個人的に、という逃げ口上を抜きにすると、私は「良い作品」というのは「これ以上のモノは無い」と感じさせる題名がつけられた作品だと考えています。この作品はまさにそう。主人公はSNSという「バーチャル」な世間にも、親や仕事関係という「リアル」な世間にも疲れ切っています。なまじ作家という、人の心に飛び込むような仕事をしているだけに「そんなものだ」と割り切ることもできず、静かに、溺れるように苦しんでいます。
「かわいい」ヒロインはそんな主人公の懐に飛び込んでくる。ただひたすら主人公への憧れだけを抱えて。主人公を甲斐甲斐しく世話して、何度身体を求められても拒まない。これだけ聞くとよくあるエロ漫画のヒロインだと思うかもしれませんが、話はそれだけで終わりません。ヒロインが作中で「私みたいな人を」と溢すように、彼女自身も主人公に依存している節があるのです。
世の中から不倫がなくならないのは、「共犯関係」ほど燃えるものはないという人の本能があるからでしょう。でもふたりを結ぶのは共犯・共依存だけではありません。後半で主人公が自分の名前を呼ばせながらヒロインに縋る場面、そしてタイトルの意味が逆転するラストシーンが、より深く心に染み渡らせます。ふたり(特にヒロイン)はお互いの世間には見せられない苦しみも、愛おしさと快感を作る一部になっていると、読み手にも伝わってきます。健気に支え合う二人は、やはりかわいいし、これ以上ない題名だと感じます。
直接的で刺激的なエロもいいけれど、こうした「不揃いな心の襞」を撫でるような、読み手の情けなさを受け止めて癒してくれるエロ漫画は、時に直接的なエロの何倍も心地よいことを改めて思い出させてくれます。ふんわりとしつつも、肝心な部分のエロはしっかり描かれている絵柄が作品を支えています。
この作品は、バーチャルでもリアルでも疲れた人に強く刺さるはず。自分が「かわいいひと」と自分に言い聞かせたくなるような愛しさを、みんなにも感じてほしい。本当に素晴らしい作品です。これからも作者を応援しています。