背徳的な淫語から青い性春モノまで、ハイクオリティな官能の世界を描く伝説の作家・むらろの初作品集がついに登場!
■ほとづきの儀
雪深い村で育む淡い恋。成人の儀式で行われる夜の儀式が、ふたりだけの官能的な幕開けを招く。
■星降る夜の図書室
子どもの頃からの憧れを抱く大人の女性と、秘密の関係に落ちる二人。静かな夜に交わされる視線と触れ合いが、ふたりの距離を溶かしていく。
■深夜の取引
深夜のコインランドリーで出会った彼女と、互いの秘密を守るための駆け引きを交わす。体と心が熱く絡み合う。
■とらグラ
卒業直前の先輩と黄昏時の屋上で、思い出を刻む夜。先輩のリクエストは留まることを知らず、二人の世界がじわりと開かれていく。
エロ漫画の感想
寡作ながら2007-2010年当時最高の画力で描かれた成年漫画
2007-2010年に数作、ワニマガジンの快楽天ビースト誌に作品を発表した漫画家さん。さすが当時の人気作家、鳴子ハナハルさんに負けないくらいのデッサン力を持ち、濃いペンタッチが印象的でした。単行本1巻分の作品が無いため、4作だけ収録した2018年の電子単行本が登場です。
【収録作】
1.ほとづきの儀:2008年3月号
2.孔姉妹:2007年8月号
3.やった女は殺犯:2007年11月号
4.とらグラ:2007年5月号
内容は、田舎の悪しき因習の元に咲く男女の物語や、妹の性行為を盗み見ていた姉が思わぬ展開に巻き込まれる話、コインランドリーで出会った血塗れの女性とのドキドキな出会い、そして卒業前の想い出作りに校舎屋上でのセッスと、要素満載です。
作品によって暗い雰囲気が漂ったり、コメディタッチが際立ったりと、まだ作風が固まる前に商業誌から引退されてしまったのが本当に残念。キャラデザインはすっきりとした端正さがあり、豊乳から普通乳までの描き分けも見事ですが、全体的にはややアッサリとした印象です。
ヒロインの陰毛描写は作品2と3に見られます。現在、その後どうされているのかが気になります。この筆力なら、名前を変えてどこかで活躍されているかもしれません。
全体的に描写は薄目で、修正も控えめな仕上がりです。