21世紀に刊行された内山亜紀の最後の短編集のひとつ。デビュー以来の80年代パロディブームや90年代のJKブームといった時代背景をうまく拾いつつ、彼女の作風をじっくりと振り返らせてくれる重厚な一冊だ。特に注目してほしいのは巻頭の描き下ろし長編「SAYAKA」。内山亜紀はネームもコマ割りも自分で決めず、最も描きたい場面から筆を入れるスタイル。その空間を埋めるように美少女を動かし、ヒロインたちの魅力をページいっぱいに映し出す。そんな「SAYAKA」を軸にした長編エロティック・グラフィティと23編の短編を収録した、迫力の一冊。
少女組さやか【電子版特典付き】

エロ漫画の感想