この世界には、‘焼菓子(ケーキ)’と‘突匙(フォーク)’に分かれた人間たちがいる。
味覚のない突匙(フォーク)にとって、唯一の救いは焼菓子(ケーキ)の甘い魅力だ。
幼少期に家族に見捨てられ、とても孤独だった少女・千代(ちよ)。
彼女は、自分の存在価値を見失っていた。そんな彼女を見つけたのが、
藤嶌財閥の次期当主・藤嶌唯織(いおり)という、運命の出会いだった。
唯織は、焼菓子(ケーキ)のように魅力的な千代を抱きしめ、
彼女は初めて自分に価値を見出してくれた突匙(フォーク)に、
心赴くまま身を捧げることになる。
しかし、ある日、千代に密かに恋心を抱いていた藤嶌家の専属料理人・桜史郎(おうしろう)が、
二人の情熱あふれるやりとりを目撃してしまう。
濡れそぼり、快感に身を震わせる千代の姿に心を奪われた桜史郎は、
自らの感情を抑えきれず、千代に迫る。舌は彼女の肌を這い、思わず蜜壺を求める――
「どうしてこんなに甘いのか?」桜史郎は、焼菓子(ケーキ)の魅力に気がつく。
彼もまた、唯織と同じ突匙(フォーク)だったのだ…
その様子を見守っていた唯織は、二人を自身の寝室に招き入れる。
待ち受けていたのは、二人に奉仕する官能的な夜。ひとつの舌が快感を掻き立て、
もうひとつの存在が彼女の奥を責め立てる。左右から注がれる熱情、同時に与えられる快楽――
千代の身体は震え、声にならない喘ぎが夜の静けさを打ち破る。
56ページ+あとがき・設定4ページ
※この作品は同タイトルのR-18版・合冊版です。



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